夜風に吹かれて


今日は天気予報が雨だから、自転車通勤をやめて地下鉄にした。

最寄り駅に着いたら、人が溢れている。

ついさっき、電車が車両故障のため止まったところだった。

もう1つ路線があるけど、それだと会社には行きづらい。

あぁ、バスだ。バスバス。

地上に出たらちょうどいいタイミングでバスが着たけど、

私の前には長蛇の列。

結局、半分以上積み残してバスは発車した。


こりゃ、バスもダメだ。

1駅歩こう。



結局、途中から雨が降り出し、遅刻しそうだったのとで、タクシーを捕まえてしまいました。


朝からえらい目にあったなぁ。



夜は、中学からの親友2人と、その息子1人の合計4人でご飯。

生まれたてから知っているこの子とまさかお酒を飲む日が来るとはね。

でも、お酒が飲めるような歳になっても、母親の友達の集いに、さらりと参加できるような

そんな男子に育ってくれて、ありがとう。






午前中の雨が上がって、午後の蒸し蒸しする空気が、さっと流れた。

見上げれば、空はうっすらピンク色。

雲がすごい早さで流れていった。








ぽっかり浮かんだ月。

風が心地良い。

こんな日は、少し遠回りして、ふらふらと川沿いを歩こう。

川からの冷たい風に吹かれて

雲がびゅんびゅん流れていく夜空を見上げて

月明かりの中を、ふらふらと歩こう。



iPhoneのスピーカーを耳に近づけ、音楽を聴きながら歩くのが好きだ。

川の水音、葉っぱが揺れる音、土を踏みしめる音。

遠くでバイクのエンジン音、

もっと遠くで微かに聞こえる笑い声。

その中で聴くお気に入りの音楽。



スピーカーからの音は、昔持っていた小さなラジカセと同じ音がする。

音のいいステレオから流れるFM放送も好きだけど、

ちょっとチープなスピーカーから流れるAM放送が好きだった。



小学生の頃から聴いていたFEN

私の洋楽の原点。

そして、ラジオ制作の道に進むことにした、原点。

言葉はわからないけれど、アメリカの音楽、アメリカのラジオ、アメリカの香り。

絶妙の選曲に、曲つなぎのタイミング。

挟まれる、ステッカーがなんてかっこいいんだろう。



でも今はただ、ただただ、Michael Jacksonだけを聴いていたい。



ずっとずっと好きだった。

彼の曲から遠く離れたことはなかった。

アルバム「Off The Wall」でQuincy Jonesを知った。

コンポーザー、プロデューサーの意味を知った。

ボサノバを知ることになり、ジャズを知った。

モータウンを知り、レコード会社ごとに色があることを知った。


演劇部に明け暮れていた時、ダンスの練習はMichael Jacksonだった。

あの、夏の匂い。降りしきる蝉の声。水道水の味。



来日公演のチケットを持っていた。

でも、どうしても都合で行けなかった。

次にくる時は必ず行くと、ずっと思っていた。


でも、次はなかった。


そして、次は、永遠に、なくなってしまった。



水面の揺れる音や木々の揺れる音に混じって流れるMichael Jacksonの歌声は

心の隙間から、じわじわとしみ込んでくる。



どうか、安らかに。

全然、信じられないけれど。

安らかであればいいな と、そう願う。